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キルギス主要都市

ビシュケク

ビシュケクはキルギス共和国の首都。天山山脈の支脈キルギス・アラ・トーの北斜面標高 750 〜900mにある。山の美しい町で、どこからでも南の方に万年雪を頂くアラ・トーの山々が見える。
アラ・トーから流れる川を利用して見事に樹木を繁らせ、町全体が公園のようだ。旧ソ連の
都市計画の下に造られ、道路は南北と東西に走り、コンクリートの5階建ての建物が整然と並ぶ近代都市だ。
町としての歴史は新しいので、立派な歴史的遺跡はないが、4000から5000m級の山並みを見たり、山の懐に分け入って行くといい。
町の人口は約65万人。キルギス人、カザフ人、ロシア人など多くの民族が暮らしている。
キルギス人の顔はとても日本人によく似ている。7月の平均気温25度、1月は一 6度。旅行シーズンとしては 5〜10月がいい。

主な見どころ

▪ キルギズ国立博物館
1 階にはユルタが設置され、中に色鮮やかな布団、民具などが置いてある。ユルタとは遊牧民の移動式住宅で、厚手の羊毛で作ったテント。町ではなかなか見られなくなっている。
2 階は社会主義時代そのままで、レーニンや革命家たちが隊列を組んでいる大きな像が並んでいる。
3 階は歴史博物館になっていて、キルギス国内で発掘されたサカ族(スキタイ民族)の青銅器、茶碗を持ったユニークな突厥の石人などが展示されている。

▪ キルギス美術館
1 階には現代画家の特別展会場と土産屋があり、2階にはロシアの画家レーピンやアィバゾフスキー、シーシキンなど旧ソ連の画家の展示室とキルギスの画家の展示室がある。
キルギス展示場では草原での生活、羊や牛の群れ、身近な山々、人を寄せつけない氷の山々といった魅力的な絵画や彫刻、タペストリーなど深い工芸品が多い。

▪ マナス王像
フィラルモーニヤ,コンサートホールの前庭に、馬に乗って剣を持つマナス像がそびえ立っている。このマナス像は、キルギス人が千年も昔から語り継いだ英雄叙事詩のヒーローで、キルギスのシンボルだ。庭の両側に、実在した有名なマナスの語り手[マナスチ」の胸像がずらりと並んでいる。

▪ バザール
市民の台所オシュ・バザールやアラメデイン・バザールは、いつも熱気に溢れている。米の売り場には、長い米、小粒の米、ウズゲン米、朝鮮米など、たくさんの種類が
ある。赤いウズゲン米は高いが、プロフという炊き込みご飯に最適だ。炊けば赤い色は消える。
肉売り場は、羊肉、牛肉、豚肉、鳥肉の部に分かれ、動物の頭や足があちこちに転がり、半身の大きな肉が吊るされている。買い物客は俸切れでつついて品定めをして、何キロもの固まりを買っていく。細切れなどは売られていない。
乳製品の建物には、牛乳、バター、チーズをはじめ、ケフィール、スメタナといったヨーグルト風のもの、また遊牧民特有の馬乳酒(クムズ)もある。
売り手も買い手もキルギス人、ウズべク人、ドウンガン人、朝鮮族など。

近郊の見どころ

▪ アラ・アルチヤ自然公園
ビシュケクからたった30kmのところに、都会とは別天地のアラ・アルチャ自然公園がある。キルギス・アラ・トー山脈から流れるアラ・アルチャ川の峡谷の周囲に、1976年に創られた。公園の広さは19400ha、公園入口は海抜1300mだ。
道は川に沿って登っていく。曲がるたびに変わる山の姿に進むと、13kmほどでアルピニスト,センターがある。登山者の拠点になっていて、宿泊も可能だ。海抜2000mで、 車はここまでしか人れない 。アルチャと呼ばれるコノデガシワ(檜の一種)、天山モミや倒本で造られたテーブルや椅予を眺めながら、なだらかな坂道を1時間近く登ると、アラ・アルチャ川とアク・サィ川の 出合いに出る。両方の川の先は氷河を頂く山々で、上高地を何倍も大きくしたような偉容だ。山の好きな人にはここから多くのハイキング、トレッキング、カローナ峰(4692m )登山のコースがある。

▪ イシク・アタ温泉保養地
ビシュケクからコイ・タッシュ村を経て行く道は56kmで、カント町経山だと78km 。イシク・アタ渓谷に温泉場イシック・アタがある。
コイ・タノシュからの道では、左手下方にカザフスタンまで続くチュィ盆地が一望の下に見渡せる。
1891年に温泉治療地として開けてから、何棟かの施設を持つ保養所になっている。今までの主な目的は病気治療だったので、宿泊も可能だ。また川沿いをさらに登っていくと、別天地が開けるこ。
この保養所の敷地内の岩に、8世紀のものといわれる薬師如来像くっきりとした線で彫られている。

▪ バラナの塔とバラサグン遺跡
ビシュケクからイシク・クル湖への街道を東に約60km、トクマクで街道を右に曲がり、山脈の方へ進む。荒野の真ん中に建っているのが、11世紀初めに造られたブラナの塔だ。ここで発見された石に彫られたアラビア文字の内容から、ここは10世紀から13世紀のカラハーン朝の首都のひとつバラサグンと推定されている。また野外博物館として、キルギス各地から集められたたくさんの石人や石臼などが並べられている。日本の茶碗に似たものを持った、お爺さんやお婆さんののりペりした「石人」と呼ばれる石の像は、突厥の戦士の墓だともいわれている。小さい博物館には、ここで発掘されたものが展示されている。

▪ アク・ベシム遺跡
ブラナの塔から北西に6kmほどのところに、6世紀から12世紀のアク・べシムの遺跡がある。周囲の城壁がほとんど残っており、仏教寺院跡が発掘され、唐代の砕葉城(スイアーブ)であることが近年明らかになた。629年に出発した玄奘三蔵がインドに向かう途中、イシク・クル湖岸を通ってここで突厥の王に会い、歓待を受けたと「大唐西域記」に書いている。

 イシク・クル湖  

ソ連時代のイシク・クル湖は、外国人は立ち入り禁止で、まさに「天山山脈の山ひだ深くに隠されている幻の湖」だった。天山の銀嶺に縁取られた湖で、「中央アジアの真珠」とも言われている。真っ白な万年雪、氷河を頂いた屏風のような2つの山脈に囲まれている。北側の屏風はクンゲイ・アラ・トー、南にそびえるのはテルスケイ・アラ・トー、天山山脈の最高峰ポべダなど7000m級の山々へと続いている山脈だ。そして湖は東西180km、幅30〜70km、周囲700kmで、琵琶湖の約9倍も大きく、湖の色は吸い込まれるように青い。「キルギスの海」ともいわれる。
この湖は多くの謎に包まれている。そのひとつは湖中に沈んだ集落跡だ。湖岸には時々、青銅器や上器が打ち上げられる。サカ族(スキタィ民族)のものだとも、鳥孫族のものだともいわれている。周辺はサカ族や鳥孫族の文化の中心地だった。
ソ連科学アカデミーが調査し、NHK取村班も湖底を水中撮影して、「湖底に消えた道・幻の湖」を放映した。それにしても、なぜ、集落が湖底に沈んだのだろうか。謎は深まるばかりで、昔から多くの伝説がある。
玄奘三蔵がインド行の行き帰りに寄り、湖の記録を残している。また、一説によればティムールの避暑地になっていたという。湖岸周辺から行ける天山山脈山々は、すばらしいトレッキングのフィールドだ。高山温泉、高山湖めぐりのルートもあり、自然愛好家に多くの魅力を秘めている。
西端のバルクチから北岸に沿って、ソ連時代の保養所や休養施設が点在している。

イシク・クル湖の主な見どころ

▪ チョルポン・アタ
西岸のバルクチから80kmのところにある、湖岸でいちばんの避箸地。政府要人の別荘やサナトリウム、保養所などがある。道端で湖でとれる魚の干物や、リンゴ、桃、杏やサクランボをバケツに山盛りにして売っている。バザールを中心ににぎわう避暑地だ。人々のいちばんの楽しみは湖水浴である。波はなく、水は透き通っている。若者は夜中でも泳ぐ。泳ぎながら満天の星を、氷河を頁く山々をながめる。イシク・クル湖はカザフスタンの人々にとっても憧れだ。

▪ 岩絵野外博物館
チョルポン・アタ空港近くの斜面に、一部分だけ鉄柵がある野外博物館がある。大小様々な岩がごろごろしていて、そのなかに絵を描いた岩がある。ヤマヤギの絵が多く、獲物を追う狩りの絵もある。岩絵の岩に番号が書いてあり、約900個あるという。ここからイシク・クル湖も眺めることができる。

▪ チョン・アクスー渓谷
チョン・アクスー渓谷は、チョルボン・アタから車で1時問のところにある。車を下がりて川沿いに登ると間もなく、湖岸からは深山になり、大山モミなどの針葉樹林からガレ場へと続いている。上にはクンべル山が切り立ってそびえ、木立の問からイシク・クル湖が見渡せる。峡谷の草地に羊が放牧され、小屋やユルタが設営されている。この他グレゴリー渓谷など、クンゲィ・アラ・トーからイシク・クル湖に流れ込む川沿いに少し登るだけで、湖岸とは別天地が満喫できる。

▪ サン・タッシュ
イシク・クル湖の東端からチュップ川に沿って、カザフスタンのケゲンへ向かう途中の原野に、丸石の山がある。サン・タッシュで、兵士が戦さに出かけるときに、石をひとつずつ置きながら無事を祈ったという。無事に生きて帰れた兵士は、感謝してここから石を持ち帰ったのだそうだ。
紀元前のことだとも、ティムールが遠征の犠牲者の数を知るためのものだったとの説もある。近年、ティムールがこの石の山にひざまずいているところを映したロシア銀行のテレビ・コマーシャルで話題になっている。

▪ プレジェヴアルスキー博物館
イシク・クル湖の東岸、カラ・コルの7km手前にある。
博物館に入るとホールの真ん中に大きな地球儀があり、壁の地図に19世紀のロシア人の探検家プルジェヴァルスキーの足跡が記されている。そしてチべットやインド、中央アジアを探検した彼にちなんだ品々が展示されている。
プルジェヴアルスキーは調査半ばで病に倒れ、ここに葬られることを望んだため、1889年に上に翼を広げた鷲をのせた高さ9m,重さ360tある記念碑を建てた。前面に彼の横顔のレリーフを飾り、下の10段の階段は彼の10年問の調査を表現しているという。身長195cm 、休重140kgの大きな人だった。博物館の敷地は、広くきれいに整備されている。独立前、カラ・コルの町の名前は「プルジェヴアルスク」であり、彼は市民のシンボル的存在だった。

▪ イシク・クル湖の南岸
カラ・コルからの南岸は、北岸と比べてほとんどが自然のまま残されている。水はあくまでも透き通り、青い。南岸のテルスケイ・アラ・トーは北岸のクンゲィ・アラ・トーよりも高い山々が連なり、湖岸に迫っているので,その景色も壮観である。特にタムガ、カジサイ、ボコンべエフ付近から眺める山脈は壮大だ。車の前をキジが横切ったり、小さな予供が上手に馬に乗り、大きな大人がロバに乗っていて、素朴な暮らしぶりがうかがわれる。アク・サイを過ぎると、道は湖から離れ赤や黄色の岩肌の半砂漠地帯だ。

▪ カラ・コル
イシク・クル湖の東端に位置するカラ・コルは、湖から9km 、海抜1690〜1990mで、テルスケイ・アラ・トーと天山山脈の山々への登基地の町。人口8万人、4km西方ほどの小さな町だ。氷河を頂山々がぐっと迫り、天山山脈最高峰ポべダ(勝利峰)7439m への登山口でもある。
1860年代にロシア人やウクライナ人たちが町を築き、その後弾圧を逃れて中国からムスリムのドウンガン人とウイグル人が移り住んだ。
天山山脈の最高峰ポべダをはじめ、7000m級の山々へのべースとなる力ラ・コルは、国際観光の新しいポイントになった。現地でも旅行代理店がいろいろなコースを開発している。 

近郊の見どころ

▪ ジェティ・オグスの奇岩と渓谷
カラ・コルから湖岸沿いの街道を西へ15km 、山の方へ10km、海抜2200mのところに温泉地ジェティ・オグスがある。巨大な赤土の断崖絶壁である。赤い岩肌の奇妙な凸凹の山で、最も川沿いの岩は心臓が裂けた形をしている。ある美しい女性に求婚した2人が流血の決闘をして、2人とも死んだ。そのとき、女性の心臓が裂けたのだという伝説がある。
この岩と並んで7つに分かれたユニークな山がある。これが7頭の雄牛に似ていることからジェティ・オグズの地名がついたといわれる。これはキルギス語で「7頭の牛」を意味する。この温泉保養所に泊まることができる。
ここからジェティ・オグズ川に沿って5kmほど登ると、ドリーナ・スべトフ(花の盆地)と呼ばれる草地に出る。季節によってちがう花が咲き、行楽地になっている。さらに先へと登ると、ガガーリンなどの宇宙飛行士の保養所だったロッジがあり、頼めば宿泊できる。

▪ アルテイン・アラシャン
海抜3000mの温泉地。アラシャン川の渓谷沿いに登った広い草地で、正面には4260mのパラータ山(テント峰)と山々が見える。気象庁と森林管理局の小屋、チェプロ・クリュチエンスカヤの集団農場の保養所があり、温泉小屋が6軒ある。
1年中、日本の温泉に似た大きな風呂に湯が豊富に湧き出ている。保養所が開放されていて泊まることができる。また夏にはユルタに泊まれる。3500mの地点にあるアラ・キョル湖へ行ったり、馬のトレッキングもある。

 オシュ

オシュはキルギスの南部、フェルガナ盆地の東にある。人ロ25万人でビシュケクに次ぐ中心都市でありながら、ウズべク人の方が多い。町の雰囲気もビシュケクとはまったく異なり、まるでウズべキスタンのようだ。オシュの人々の口癖は、「オシュはローマよりも古い」だ。この町の創設者は、ソロモン王からアレクサンドロス大王まで多くの伝説がある。紀元前2世紀の弍師城があったのではないかともいわれている。初期シルクロード貿易の重要な中継点のひとつで、多くの民族が行き交い、大きな市場でにぎわった長い歴史を持っている。西暦2000年に、オシュは3000年祭を祝った。


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